チームとして完成度を高めているいわき。負けずに前への意識を
秋田戦、千葉戦と前への矢印を出してくる相手に立て続けに苦戦した中、今節のいわきも攻守両面でアグレッシブに前を目指す相手だ。こちらも負けずに勢いを出していきたい。
ゲームでは複数のビューティフルゴールも
前節の千葉戦から中7日。ひさびさに潤沢な準備期間を得て、チームは週の立ち上げとその翌日にトレーニングの負荷を高め、3日目には軽い調整に抑えて、試合前日に最終確認を行った。前節、負傷していた野村直輝と野嶽惇也が戦列に復帰したことは大いなる好材料。2日目のゲームでは攻撃でいい形を作りビューティフルゴールが生まれるシーンも多々見られた。
前々節の秋田戦、前節の千葉戦と立ち上がりに失点したことを受け、試合の入りの重要性も再確認した。一方で片野坂知宏監督は「先にやられないように、だからといって慎重に入らずアグレッシブに行きたい」と、選手たちに果敢さを求める。
前への矢印を強く出してくる相手に苦戦傾向がある中で、今節迎え撃ついわきも、攻守両面で前の意識を前面に打ち出すチームだ。前節の千葉戦は相手のプレッシングを受けて布陣が間伸びしたり深いところが見えていなかったりという課題が出たが、今節はそれを改善できた手応えを確かめたい。
現在、ともに3勝4分3敗の勝点13で並びながら、いわきは得失点差8、大分は得失点差1と水をあけられている。失点数は1試合平均1と抑えることが出来ているので、やはり得点が欲しいところ。3戦連続得点中の渡邉新太と、最近はトップ下でのプレーを増やしながら4得点を挙げている長沢駿に続き、積極的にゴールを狙っていきたい。
ポゼッションも巧みないわき
もとよりフィジカル強度をストロングポイントとしてきたいわきだが、昨夏から指揮を執る田村雄三監督の戦術が浸透し、攻守にアグレッシブでハードワークするチームへと大きく成長を遂げている。守備では激しいプレッシングで圧をかけ、攻撃ではボール保持状況や相手の状態を見極めポゼッションを織り交ぜながらゴールに向かってパワーを出してくる。サイドには推進力、シャドーにもテクニックと勢いのある選手が並び、個々の質も高い。
前節の清水戦では立ち上がりに2失点したが、その後は徐々にペースを取り戻すと主導権を握る時間帯を増やし1点を返した。ミッドウィークに行われたルヴァンカップ1stラウンド第2回戦は新潟に0-2で敗れたものの、やはり多くの時間に主導権を握って試合を進めている。
今節はそのルヴァンカップから中3日となるが、メンバーをターンオーバーしており、影響はなさそう。相手を勢いで圧倒しながら勝点に結びついていない試合が続いたので、今節こそは勝利を期してくるだろう。
だが、こちらも前回のホームゲームの雪辱を果たしたい。互いにスタイルを表現し合えれば好ゲームが期待できるこのカード。積み上げてきた努力は公式戦のピッチで出せて初めて成果となる。
試合に向けての監督・選手コメント
■片野坂知宏監督
いわきは守備も前から来るし、攻撃はどんどん後ろから湧き出て関わってくる。特に攻撃は速く、関係性の3人目やワンタッチの判断、決断が早い。アグレッシブないいチーム。田村監督がよく落とし込んで鍛えていると思う。われわれも勇気を持ってトランジションを繰り返してシームレスで、あれだけスピーディーな相手に対してもチャレンジできるかどうかが問われる。得点したい。奪った瞬間の切り替えはお互いに大事になる。カウンターを含めてスペースを突けるか。そういう展開が予想できるのでやはり先制したい。
■MF 6 弓場将輝
いわきとは昨季対戦したとき、さすがJ1に引き抜かれるくらい、個の能力がすごく高いなと感じた。アウェイではセカンドボールをよく拾えて圧倒できたのだが、ホームで対戦したときは、僕は出ていなかったのだが、守備をハメられて蹴ってしまいセカンドボールも拾えずという試合になってしまった。自分たちが相手に合わせずにプレーすることが大事だと思う。
■DF 34 藤原優大
ここ2試合は入りがよくなかったので、入りを改善することがひとつ。やはり後ろが無失点で守ることが勝利へのいちばんの近道で、いまのチーム状況を考えたときに、無失点で進めながら群馬戦のように1点、2点取っていくのが、勝利しやすいと思う。それを続けながら攻撃の改善にも取り組んでいるので、ビビらず大胆にやりたい。いわきはすごくいいサッカーをしている。フィジカルも強いしボールをしっかり持つし、その中でも背後を狙ってくるが、今節は無失点で抑えたい。